DIEP皮弁
当院では、腹部の組織を使用した再建に“DIEP皮弁”を用いています。これは、腹部の脂肪に血管をつけて一度きりはなし、胸部の血管とつなぎなおすものです。手術時間は10時間程度です。
適用条件:妊娠出産を望んでいない
乳房が大きく、下腹部に脂肪が存在する方、術後に妊娠出産を望まない方、人工物を希望されない方が選べる術式です。
利点:乳房の形がきれい
腹部から摘出するものは脂肪ですので、筋肉(腹直筋)を温存することができます。
柔らかく大きな乳房を再建することが可能で、形もきれいです。また、腹部の脂肪が取れます。
リスク:難易度の極めて高いオペ
血管吻合は、顕微鏡を用いて、細い血管で動脈と静脈を縫い合わせます。吻合した血管がつまる可能性が2%程度あり、つまってしまうと、緊急手術が必要になることもあります。緊急手術をしても詰まった血管が治らない場合には組織が全部壊死してだめになってしまいます。
血管が詰まる可能性が一番高いのが術後24時間以内ですが、1週間すぎればまず大丈夫です。
術後、3日間程度のベッド上安静が必要になります。
この場合の緊急手術は3-6時間程度です。入院期間はそんなに変わりません。